歯を失わせる原因になるのは、虫歯だけではありません。最近増えている口腔疾患として、クレンチング症候群というのが挙げられます。いわゆる食いしばりのことで、これによって歯に強い圧力がかかってしまうことでトラブルが起こります。身体にストレスがかかると、顎の筋肉が緊張します。
すると口元も硬く引き締まり、食いしばりが起こりやすくなります。クレンチング症候群は、長時間上下の歯を食いしばってしまうことが問題です。これによって知覚過敏が起きたり、歯にヒビが入って割れてしまうこともあります。他にも、歯と歯を支える骨の間にある歯根膜に圧力がかかって、歯周病を悪化させてしまう原因にもなります。
歯周ポケットが深くなり、歯が揺れてきます。さらに骨に圧力が伝わると、顎関節症が起こる可能性もあります。口が開けにくい、顎関節に痛みを感じる、口を開けるとカクカク音がなる（クリック）などの症状を伴います。歯科では、クレンチングに対しての治療も行っています。
一般的な歯科治療では、食いしばりを治すために患者さんの歯型にあったプラスチック製かゴム製のスプリント（ナイトガード）を使います。スプリントを入れただけで症状が全て改善されるわけではありませんが、症状をかなり改善させることが期待できます。歯科で作るスプリントは患者さんの歯型に合わせて製作するので、症状が改善しやすいです。市販製品もありますが、自分の口に合ったものを作るには歯科を受診したほうが良いです。